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2022.12.30 16:00
2022.12.15・17・18・20 日本武道館
通算150回公演という、前人未到の記録も矢沢にとっては一つの“通過点”となるはずだった。
12月18日の149回目、日本武道館公演のフィナーレを飾る「So Long」を歌い終えてステージ袖から楽屋へ向かっていく最中、150回目の抱負を尋ねると、
「別に...気持ち良くいけたらいいなと思います」と一言。
これは、どのライヴであろうとも最高のパフォーマンスを行なって、観客が満足して帰っていただきたいというプロフェッショナルの裏返しでもある。
12月15日の武道館1日目公演では まさに“矢沢永吉ここに在り”というほどパワフルで完璧なステージを見せつけた。
続く17日の2日目公演でも超満員の会場は大盛り上がりとなり、最終日の150回目公演に向けてボルテージは上がっていくばかりであった。
しかしこの日、矢沢本人も気づいた自身の喉の異変。
思うような声が出ない、体調自体は問題ないが一番の武器である歌声が気持ちよく抜けてくれない…
翌日の19日も何とか万全な状態まで戻そうと体を休めつつ、試行錯誤してはみたが最終日当日でもやはりステージに立てるほどのコンディションは望めなかった。
苦渋の決断。悔しい気持ちを心に抱えながら出した答えは“中止”だった。
デビュー50周年を始めとして『お祭り』となった2022年の締めくくりがこんな形になるとは誰もが想像できなかっただろう。
しかし、3日後に急遽出演したNHKの特別番組でも「こうやって色々な事があって、それを乗り越えながら50年やってきた。」と語っていたように、こうした出来事も一つのドラマとして矢沢永吉の歴史に残っていくことも“らしさ”なのかもしれない。
既に「オトシマエ」を付けるための準備を着々と進めている。
次回へ持ち越しとなった150回目の日本武道館公演は“締め”ではなく“スタート”となる筈だ。
「歌い続けていきたい」と矢沢が話すように、新たなステージの幕開けが始まる期待を持ちながら2023年へと駒を進めていく。
“ONE FIFTY”はまだ終わらない!